インバウンド(訪日外国人観光客)の増加に伴い、「英語のメニューを作らなきゃ」「お店のルールをどう伝えよう」と悩んでいる店舗経営者の方は多いのではないでしょうか。
とりあえず無料の翻訳アプリを使って英語表記を作ってみたものの、なんだか不自然で、本当に魅力が伝わっているのか不安になることもありますよね。
この記事では、巷で話題の「安全で有名なAIツール」を使って、単なる直訳ではなく、料理の背景や文化的なニュアンスまでしっかり伝わる「温かい多言語案内」を約30分で作成する方法を解説します。
作業のイメージが湧きやすいように、実際の操作画面の動画も交えて紹介していますので、ぜひご自身のペースで進めてみてください。
なぜ無料翻訳ツールの「直訳」ではダメなのか?
インバウンド集客において、言葉の壁を越えることは重要ですが、「ただ翻訳すればいい」というわけではありません。
直訳が引き起こすミスマッチ
例えば、日本の定番メニュー「親子丼」を無料翻訳ツールにかけると、「Parent and Child Bowl」と直訳されることがあります。これでは、どんな食材が使われていて、どんな味がするのか全く伝わりません。最悪の場合、不気味な印象を与えてしまうこともあります。
観光客が本当に知りたいこと
外国人観光客は「単なる料理名」を知りたいのではなく、「それがどんな体験なのか」を知りたがっています。
- どんな味付けなのか
- どんな歴史や背景があるのか
- どうやって食べるのが一番美味しいのか
これらを伝えるためには、ただ言葉を置き換える「翻訳機」ではなく、日本の文化やお店のこだわりを理解して伝える「優秀な接客スタッフ」のような存在が必要です。そこで活躍するのが、最新のAIツールです。
どの大手AIツールを使うべきか?
現在、様々なAIツールが登場していますが、セキュリティ面でも比較的安心で、有名な大手AIツールを3つご紹介します。
- Claude(クロード):【当講座のイチオシ】 非常に自然で人間らしい文章を作るのが得意です。文化的なニュアンスを汲み取ってくれるため、「おもてなし」の表現に最も適しています。
- ChatGPT(チャットジーピーティー): 世界で最も有名なAIです。汎用性が高く、初めてAIに触れる方でも安心して使えます。
- Gemini(ジェミニ): Googleアカウントがあればすぐに使えます。最新情報の検索機能と連動しているのが強みです。
本記事では、文章の自然さに定評がある「Claude」を使った操作画面をベースに解説を進めます。

【実践①】魅力を伝える「多言語メニュー」の作り方
それでは実際に、AIを使ってメニューを翻訳してみましょう。AIには「プロンプト」と呼ばれる指示文を出します。以下のテンプレートをコピーして、ご自身の料理名や特徴に書き換えて使ってください。
メニュー翻訳用プロンプト(コピーして使えます)
あなたは日本の食文化に精通した、優秀な外国人向けの観光ガイドです。 以下の料理を、日本文化に馴染みのない外国人観光客向けに英語で翻訳し、説明文を作成してください。
料理名:厚切り牛タン焼き 料理の特徴:地元で愛される名物。炭火で香ばしく焼き上げ、サクッとした歯ごたえが特徴。麦飯とテールスープと一緒に楽しむのが定番。
条件:
- 単なる直訳ではなく、どんな味がするのか、どのような文化的背景があるのかを1〜2文で補足してください。
- 読んだ人が「食べてみたい!」と思えるような、食欲をそそる表現にしてください。
- 確認のため、作成した英語の文章を、最後に日本語へ直訳して表示してください。
【動画】実際の操作イメージを確認しよう
プロンプトをAIに入力すると、どのように魅力的な文章が生成されるのか、実際の操作画面を動画で確認してみましょう。
単なる直訳ではなく、「炭火焼きの香ばしさ」や「定番の食べ方」を上手く英語で表現し、最後に日本語でどう訳したかを確認できるため、英語が苦手な方でも安心してメニューに採用できます。
【実践②】トラブルを防ぐ「優しい館内案内」の作り方
次に、お店や施設の「ルール」を伝える案内を作ります。「靴を脱ぐ」「お風呂の入り方」など、文化の違いからくるトラブルを未然に防ぐためには、表現の工夫が必要です。
禁止を「お願い」に変えるプロンプト
“Don’t do this” といった強い命令形は、せっかくの旅行気分を冷めさせてしまいます。AIを使って「なぜそうしてほしいのか」という理由を添えた、柔らかく丁寧な表現(Soft warnings)を作成しましょう。
あなたは日本の文化を優しく伝える、高級旅館のおかみさんです。 外国人観光客向けに、以下の「お店のルール」を英語で作成してください。
伝えたいルール:入り口で靴を脱いで、スリッパに履き替えてください。
条件:
- “Don’t” や “Must” などの強い命令形は極力避け、柔らかく丁寧な「お願い」のトーンにしてください。
- なぜそうして欲しいのか(例:清潔な空間でリラックスしていただくため、など)の理由を添えてください。
- 確認のため、作成した英語の文章を、最後に日本語へ直訳して表示してください。
【動画】実際の操作イメージを確認しよう
冷たい注意書きが、ホスピタリティあふれる「温かいお願い」に変わる様子を確認しましょう。
館内案内作成の実演動画
まとめ:AIを活用して「おもてなし」の心を伝えよう
今回ご紹介したプロンプトを活用すれば、英語が苦手でも、お客様に寄り添った魅力的なメニューや案内POPを作成できます。
作成したテキストは、Canvaなどの無料デザインツールに貼り付けたり、自社のWebサイト(WordPressなど)に掲載したりして、すぐに活用してみてください。
最後に大切なポイント AIは非常に優秀ですが、ごくまれに間違った情報を出力することがあります(ハルシネーション)。生成されたテキストはお店に出す前に、必ず最後の確認(日本語への直訳チェックなど)を人の目で行うようにしてください。
完成したメニュー表やPOPのイメージ写真
